一宮神社本殿
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国指定重要文化財建造物
この本殿は、身舎の正面柱間が三間で、屋根が後方に短く前方に長く曲線形に流れる「三間社流造」である。棟前方に千鳥破風を飾り、さらに先端の中央一間分に軒唐破風を設け、木階前方の庇柱まで浜床を張り出す。また各所に上品な彫刻が埋められ、全体に彩色を施しながらも過度の装飾には陥らずに、華やかな本殿に仕上げている。向拝の木鼻や身舎妻飾りの大瓶束下部には蓮華が、繋海老虹梁や向拝頭貫虹梁の底面には錫杖が彫られるなど、神仏混淆の様相を表している。棟札と正面千鳥破風板の墨書から、寛永7年(1630)の建築であることが判明している。同じ三間社流造で重要文化財である鳴門市大麻町の宇志比古神社本殿「桃山時代・慶長4年(1599)」とともに、徳島県の近世初期を代表する装飾的な大型本殿建築である。
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